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舌小帯と口腔機能と発音

投稿日:2026年06月12日

こんにちは。埼玉県羽生市にある木村歯科医院の米窪です。

「発音がはっきりしない気がする」
「サ行やラ行が言いづらそう」
「舌足らずな話し方が気になる」

このようなご相談をいただくことがあります。

発音の問題というと、まず「舌小帯短縮症」を思い浮かべる方も多いかもしれません。舌小帯とは舌の裏側にあるヒダ状の組織で、これが短いと舌の動きが制限されることがあります。

しかし近年の小児歯科では、発音だけでなく、お口の機能全体に注目することが重要と考えられています。

お口には「食べる」「飲み込む」「話す」「呼吸する」といった大切な役割があります。これらの機能が十分に発達していない状態を「口腔機能発達不全症」といいます。

例えば、

・食べるのに時間がかかる
・いつまでもくちゃくちゃと音を立てて食べる
・口がぽかんと開いていることが多い
・口呼吸をしている
・発音が不明瞭である
・舌で前歯を押す癖がある

といった症状は、口腔機能発達不全症のサインである可能性があります。

発音は、お口の機能のひとつに過ぎません。舌や唇の筋肉をうまく使えなかったり、舌の正しい位置が身についていなかったりすると、発音だけでなく食事や歯並びにも影響を与えることがあります。

そのため、「発音が気になるから舌小帯を切れば解決する」という単純な話ではありません。

実際に日本小児歯科学会も、舌小帯短縮症に対する提言の中で、舌小帯の形態だけで治療の必要性を判断するべきではないとしています。

舌小帯は成長とともに変化することが知られており、乳幼児期に短く見えていても、顎の成長や口腔機能の発達によって改善する場合があります。そのため、明らかな授乳障害や摂食障害などの機能障害がない限り、乳幼児期に外科的処置を行う積極的な根拠は十分ではないとされています。

また発音についても、幼児期は言葉の発達過程にあるため、発音の誤りだけで舌小帯短縮症による障害と判断することは困難です。学会では、発音機能の評価は5歳以降を目安に行い、舌の運動機能や日常生活への影響を総合的に判断したうえで治療の必要性を検討することが望ましいとしています。

つまり、「舌小帯が短いから切る」のではなく、「お口の機能にどのような影響が出ているか」を評価することが重要なのです。

当院では、舌小帯の形だけを見るのではなく、お子さまの発音、食べ方、飲み込み方、呼吸の状態、舌や唇の使い方などを総合的に確認しています。そのうえで必要に応じて口腔筋機能療法(MFT)などのトレーニングをご提案し、お口の機能の発達をサポートしています。

発音の問題は、単なる「話し方の癖」ではなく、お口の機能からのサインかもしれません。

お子さまのお口がしっかり育っているか気になる方は、お気軽にご相談ください。一緒にお子さまの健やかな成長をサポートしていきましょう。

歯科医院では、院長による無料のオリエンテーションを毎月開催しております。「知らなきゃ損する歯の話」など目からウロコの話が目白押しです🦷✨

次回は6月13日(土)15:00〜を予定しております。参加ご希望の方は0120-255-418までご連絡ください。皆様のご参加を心よりお待ちしております🙇‍♀️

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【参考文献】

公益社団法人 日本小児歯科学会. 「ポジションステートメント 舌小帯切除に関する見解」. 2024年2月29日. 参照先: 日本小児歯科学会 ポジションステートメント 舌小帯切除に関する見解⁠