⑮身体のために最高の治療を

投稿日:2017年1月22日

カテゴリ:埼東よみうりコラム記事

CT診断を格安・中国へ下請け…国内医師ら懸念(2014年4月16日読売新聞)

前々回のコラムで中国製の歯科技工物について触れましたが、今回はこんな記事が飛び込んできました。

日本の国家試験を受けた医師が日本の規則に従って医療行為をしていると思っていましたが、技工物やCTの診断を海外で格安に行っているのには驚きました。

もちろん世界で見れば海外の物も素晴らしいものはたくさんありますが、コストの点で日本独自でできない診療が増えていくという事は、国の決めた医療費に問題があるとしか考えられません。

そして格安にして医療費のコストを下げて患者様に提供しなければならない現状は、医療の質を下げかねないと感じます。

医療の質を下げるとは、技術だけでなく、最先端の機材や人件費も下げなくてはならず、例えば、受付けやドクターの態度が事務的になったり、話をよく聞いてくれないなど、業界のイメージもダウンしかねないと感じます。

世界には医療費が無料の国もありますし、ドクターが病気を治せば治す程、ドクターの給料が上がるシステムの国もあります。当然その国のドクターは、病気を治すためにありとあらゆる知識をつけます。

日本は治療後の結果ではなく診療行為が点数で決まっており、病気の治療がゆっくりでも、すぐに治っても同じ料金が発生します。技術や経験の差は点数には反映されず、どのドクターが診療しても同じ治療費になります。

同じ治療を受けた時に、痛かったからといって治療費は安くなりませんし、逆に痛くない治療が高くなるという事もありません。保険診療はそう国が決めたのです。

材料の質も決められていますので選ぶことができず、より良いものや最先端の治療は保険外の治療となり高額といわれています。

虫歯にならないように予防にお金をかけるのは、身体に優しく最低限の侵襲で済みますが、なってしまってからの治療はかなり体に侵襲がかかります。

予防は保険診療で言う病名がつきませんので、当然ながら保険がききません。それでも虫歯になってから治療するよりはずっと安上がりです。身体が傷つくよりはずっと得です。

通院する時間まで考えれば、予防に勝るものはありません。しかし、なってしまったらできれば最高の治療を受け、日ごろお世話になっている自分の身体にご褒美をあげたいものです。