知らなきゃ損する歯のはなし124が掲載されました!!!

投稿日:2021年12月18日

カテゴリ:News&Topics 埼東よみうりコラム記事

「痛くもないのに歯科医院に通う」のは今や世界では当たり前です。
スウェーデンでは歯を予防管理したことで、医科と歯科を総合した国の医療費が下がり、18歳まで歯科治療が無料だったのを20歳まで無料にしました。

 一方で日本はいまだに年々医療費が増加の一歩をたどっています。歯科にもっと予算を付けて予防を推進すれば健康な人が増えて医療費が下がることが立証されているのに不思議な事です。
私は体が健康に動ける時にしっかりと歯科の治療をすると健康寿命が長くなり、天寿を全うできると考えていますし、噛める事が健康を維持できる要因の一つになりますので「歩けて噛める人」は長生きだと思っています。多くの人は健康寿命を延ばす事を望みますが、長期入院や寝たきりに近い状態になって初めて歯の大切さを実感するようです。

 それでは歯科医院に通えなくなった場合はどうなるのでしょうか?
歯の予防やメンテナンスを受けられなくなった場合はどのように対応すればよいのでしょうか?
 今は訪問診療という仕組みがあり、一定の基準を満たせば訪問で診療を受ける事ができます。
しかし、訪問診療では特殊な機械などの用意が難しいため、院内での治療に比べ制限されることも多いです。
訪問診療を受けていてもインプラントなど特殊な治療の管理が難しい所もあります。

日本口腔インプラント学会が公表している「歯科訪問診療におけるインプラント治療の実態調査」によれば、インプラントのトラブルで多かったのは、清掃困難(47%)や周囲炎(39%)で、主な対応法は投薬(32%)や観察(22%)でした。いかに訪問診療だけでは管理が難しいかが分かります。
 これは義歯についても同じです。義歯の洗浄が大切なのは多くの患者さんやご家族がご存知だと思いますが、デンチャープラーク(義歯に着く汚れ)が十分に除去できず、石灰化して歯石のようになっている例もあります。そうなると、患者さんやご家族による機械的清掃や通常の義歯洗浄剤による化学的清掃では除去できません。

何かあっても訪問診療があると思わず、動ける時に最良の治療を施し、何かあった時もしっかり管理できる治療法にしておく事が安心の歯科治療と思っています。

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