㉑子どもの歯を管理してあげましょう

投稿日:2017年1月22日

カテゴリ:埼東よみうりコラム記事

「いそがしくて何度も連れて来られないので、とりあえずうちの子の歯は早いとこ詰めちゃってください。学校から検査の紙が来たのを早く出さなくてはいけないので…」。虫歯だらけの子どもの歯を詰めていくと、かなりの治療費となります。しかし、そんな子どもは数か月でまた虫歯だらけになります。学校の検診があるのはせいぜい一年に1回か2回、次の検査ではまた紙を持ってきます。

そんな事を繰り返すのが嫌なので、私は最初に「磨きもしないで子どものせいにしても虫歯は減りません。磨かせるのは歯科医院ではなく、親のしつけです」とお母さんにお話します。

親が子どもを養っているように、歯も親が管理してあげなくてはなりません。少なくとも小学校の高学年までは親の管理が必要です。食事も服も与えて子どもの世話をするのになぜ歯だけは管理せず、子どもが磨かないからと子どものせいにするのでしょうか。

ちなみに私は、明らかに歯を磨かない子どもは治療を進めずに磨くようになるまで待ちます。それは、たとえ片っ端から詰めていったとしても、口の中をひと通り治し終わる頃には違う箇所がまた虫歯になっていってしまうからです。いくら治しても歯を磨かなかったり、寝る前にジュースを飲んでいたりすれば虫歯は減らないのです。

数か月ごとに歯の治療をするとかなりの治療費がかかりますが、予防をするとかなり安くなります。何度も何度も同じ歯を抜けるまで治療される子どもの気持ちと、高額な治療費の事を考えれば、予防をしてあげる事が親としても経済的にも嬉しいはずです。

歯科医院は歯を磨かせるための脅しの場所ではありません。不況で家計が苦しいと言いながら予防をせず医療費が高額な出費となっているなら、残業をしたりアルバイトをする時間を予防にあてた方が経済的ではないでしょうか。

子どもたちの笑顔が親の幸せであるなら予防が一番です。

あなたやあなたのお子様にあった予防法は、かかりつけの歯科医や専門の歯科衛生士さんにご相談ください。